保育園にてイザベラ・マンデッリさんによるアートワークショップを開催しました
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11月14日(土)、レイモンド花畑保育園(東京都足立区)にて、イタリアを拠点に活動するアーティストで教育者でもあるイザベラ・マンデッリさんによるアートワークショップを開催しました。日本では初めての開催となったワークショップに、5歳児クラスの子どもたちと保育者が参加しました。
今回のワークショップは、檸檬会の副理事長である青木 一永が参加したOMEP(世界幼児教育・保育機構)世界大会で、イザベラさんと協働している城田さんと出会ったことをきっかけに実現しました。
檸檬会が保育の中で大切にしていることの一つに「アート活動」があります。
アートを通してさまざまな表現や文化に触れる体験は、子どもたちの好奇心を広げ感性を豊かにしてくれます。今回のワークショプもそうした時間になればという思いから、開催へとつながりました。
ワークショップでは絵を描く活動を通して、
「自分自身を知ること」
「仲間と共に生きること」
を体験しました。
イザベラさんが創作する「Barabubbles(バラバブルズ)」のキャラクターの紹介からスタート。子どもたちは「自分はどのキャラクターににている?」と想像を膨らませていました。
◾️水彩絵の具で「にじみ」を楽しむ
イザベラさんの話を真剣に聞き、自由に色や形を選びながら表現する子どもたち。活動中は目を輝かせながら、次に何が起こるかワクワクする様子や、どんなワークが始まるのかを期待する姿が見られました。
色が混ざり新しい色ができることを見て、「おもしろい!」「すごい!」など、驚きや発見がありました。
◾️泡と水彩絵の具で描く「バブルアート」
ぶくぶくと膨らませた泡に水彩絵の具をのせ、泡が消えた後に残る模様を楽しみます。「泡が消えるのがいや」と涙を流す子もいましたが、保育者がその想いに共感し寄り添う場面もありました。
「間違いはない」
「みんな違ってよい」
「自分自身の感情を大切に」
というイザベラさんの言葉を聞き、子どもたちは思い思いの色や形で表現を楽しみました。
子どもたちの降園後には、保育者も同じワークショップを体験し、保育とアートの関わりについて学びを深めました。
<保育者からの感想>
保育者Aさん
「まちがいはない」というメッセージがとても印象的でした。」
保育者Bさん
「楽しい手法だと思っていましたが、図形の枠、色の混ざりが今の自分と、周りの人との関わりを表していると知りました。子ども達にもそんな感覚を感じながら取り組んで欲しいなと思いました。」
保育者Cさん
「アートをやってみるだけかと思っていましたが、自分の内面を振り返るきっかけにもなり、とても良かったです」
保育者Dさん
「子どもたちが目を輝かせて活動している姿が印象的で、イザベラさんが次に何をするのか期待している様子も楽しそうでした」
保育者Eさん
「同じ活動をしていても、一人ひとりが描くものや色が全然違いました。その違いを認めることの大切さを感じました。」
<講師からの感想>
イザベラさん
「社会的・感情的な側面に注目しました。バブル作りには忍耐力が必要で、うまくいかない時も周囲の子どもたちとの関係性に支えられます。
絵を通してハーモニーを感じたり、自分の感情に気付いたりすることが大切です。間違いはなく否定されない場で、自分の気持ちを受け入れることを学ぶ。アートと教育の両面で支えることが今回のワークショップの目標でした」
城田さん
「先生たちの支えがなければ、今回の成果は達成できませんでした。イザベラと先生のハーモニーの中で活動できる機会を得られたことが嬉しかったです。バブル作りの時に悲しそうにしていた女の子に寄り添い、支えた先生たちのチーム力が非常に印象的でした」
アレッサンドラさん
「 この年齢の子どもが、初めの話を聞いてからイザベラの話を追っていく姿が素晴らしいです。情熱を持って真剣にのめり込む姿に感動しました。すでにこの年齢でアーティストの目を持っている子どもが多く、驚きました。」
など、保育園でワークショップに取り組む子どもたちや保育者への、素敵な感想をいただきました。
(左より)檸檬会 青木 美佳/ヘルスケアコンサルタント アレッサンドラ ガラッソ氏/エコソーシャル・アーティスト イザベラ マンデッリ 氏/元保育士・早稲田大学文学学術院助手 城田美好 氏/レイモンド花畑保育園施設長 高橋 美帆
最後にイザベラさんは、「一人ひとり違うことが美しく、アートを通してそれを感じることが大切」と語ってくれました。
今回のアートワークショップを通して、子どもも保育者も、自分の気持ちや個性を感じたり、表現することができた素敵な時間となりました。
【講師プロフィール】※敬称略
イザベラ・マンデッリ
エコソーシャル・アーティスト、教育者。イタリアを拠点に活動。Barabubblesの作者であり、”美しさ・気づき・ケア”を届けるアート活動を行う。
城田 美好(しろた みよし)
幼児教育を専門とし、早稲田大学助手、立正大学社会福祉学部非常勤講師。「子どももおとなも、年齢・障がい・国籍にかかわらず相互に学び合う社会」を目指して活動している。
▼レイモンド花畑保育園(東京都足立区)
https://www.lemonkai.or.jp/school/nursary/leimond-hanahata-hoikuen/